日本の社会は平均寿命が伸びて高齢者が増加し、出生率が低下する「少子高齢化」と言われています。「こどもの数が減っているのに、幼稚園教諭や保育士の仕事ってニーズがあるの?」と思われるかもしれませんが、こどもを取り巻く環境は、昨今大きく変化しています。その一つが女性の社会進出が進み、出産後もこどもを預けて働く女性が増えてきたことです。また、不安定な景気の影響を受けて、共働きの家庭も増えています。こうした背景から、保育所の数は年々増加。国をあげて保育所の整備を進める現在、保育士の活躍の場は大きな広がりを見せています。
さらに、0歳児保育のニーズが増えているというのも見逃せない状況です。というのも、こどもの年齢によって保育士の配置基準が大きく異なるからです。配置基準とは保育士1名に対するこどもの割合を表したもので、国の法律で細かく決められています。
保育士の 配置基準 |
5 歳児 ‥ 保育士1 名に対して30 名 4 歳児 ‥ 保育士1 名に対して30 名 3 歳児 ‥ 保育士1 名に対して20 名 2 歳児 ‥ 保育士1 名に対して6 名 1 歳児 ‥ 保育士1 名に対して6 名 0 歳児 ‥ 保育士1 名に対して3 名 |
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このように、0歳児の保育になると5歳児の10倍の保育士が必要となるため、 保育士へのニーズはますます高まっています。
一方、幼稚園の数は保育所に比べてやや減っていますが、専門学校では幼稚園教諭の求人が増加しています。この背景には、大学や短大で幼稚園教諭免許状を取得しても、卒業後に幼稚園に就職しない学生が多くなっていることや、こどもを取り巻く環境の多様化により、現場で臨機応変に対応できる教育者が求められているといったことが挙げられます。こどもの未来を支えるという教育への情熱はもちろん、確かな知識と指導力が将来の活躍の場を左右します。幼稚園教諭をめざす場合も、どこでどのように学ぶかをしっかり考えて、進路の選択を行うことが大切です。
「幼保連携型認定こども園」は、学校教育と保育を一体的に提供する施設であるため、 その職員は「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」の両方の免許・ 資格を持っていなければなりません。これら幼保連携型認定こども園で働く先生は「保育教諭」と呼ばれます。