私は最初、障がいをもった方に対して戸惑いがありました。
考えていることが分からない恐怖心から日常生活の中で無意識に避けるようにもなっていました。障がいを持っている人は不自由だと思う・・・そんな私の意識が変わったのは、学校での「障がい児保育」という講義でした。そこでは、障がいを持つこどもの心理や、保育者・対人援助者としての接し方など様々なことを学びます。
「障がい」という、私たちの潜在意識が作り出してしまっている日頃の言動。
冷たい視線を送ったり・・・避けてしまったり・・・ 障がい児保育について理解を深めるにつれて、私は、誰もが変わりないということ、相手を理解し認めようとしないことが「障がい」という形で距離を作ってしまっていることを感じました。
一人では困難な部分を私たちが支援することで、その人がその人らしい生活を送ることができる!ということを学びました。
そして私も障がいをもった方に対して、何かをしてあげられるのではないかと考えられるようになりました。
私は実際に知的障がい児通園施設で実習をさせていただきました。
知的に障がいをもったこどもたちが自宅から通い、独立・自立に必要な知識や技術を身に付けることを目的とした施設です。
実習をする前は、こどもたちとどのように関わればいいのか、気持ちを理解し、受け止めることができるのか不安でいっぱいでした。
最初はやはり何も分からず、保育者の動きとこどもたちの様子を見るだけで精一杯でした。
一日の実習が終わると、疑問点や反省点でいっぱいです。
私は早くこどもたちの気持ちに寄り添えるようになりたいという思いが強かったので、まずは職員の方にこどもたち一人ひとりの症状について話を聞いたり、こどもたちとたくさん遊んだり、関わるように心掛けながら過ごしました。
分からないことは質問をし、その都度解決していくことで、日に日にこどもたちへの対応や関わり方が分かり、徐々にこどもたちの気持ちを理解することができるようになりました。
障がいの症状はこどもによって様々です。症状が重い子は言葉も伝わりにくく、コミュニケーションが取りづらいと感じる場面もありましたが、ジェスチャーや絵を使うことでこちらの想いを伝えることができました。
こどもたちと関わる中で感じたことは、障がいをもっている子も健常のこどもたちと何も変わらないということです。
ただ伝えることが少し苦手なだけなんだ。伝えるのが苦手ならば、私たちが理解していければ良いのだと。
「言葉だけが気持ちを伝える手段ではない」と実感しました。
施設では看護師、保育士を含めたくさんの職員の方が連携を取り合いながら、こどもたち一人ひとりと向き合い、サポートをしています。
私も限られた期間でしたが、実際に現場に触れさせていただき、貴重な体験がたくさんできた施設実習となりました。